アスリートの潜在能力を引き出す「バルド」と「アーチ」の組み合わせ
100球試打、という企画をはじめて、ドライバーを打つ機会が如実に増えました。
すると面白い現象が起こることに気がつきました。この企画をはじめる前に比べて、ドライバーへの苦手意識が明らかに減っているのです。
具体的には、スライスが減り、ボールがだいぶつかまるようになってきました。そして、曲がりの幅も以前に比べるとだいぶ収まってきています。さすがに週に1回100球も打っていると、ドライバーの“長さ”に体が慣れてくるようです。一方で、短いクラブがまっったく当たらなくなり、平均スコアはむしろ悪化しています。ゴルフって難しいですね……。
いわば他のクラブを犠牲にしてドライバーだけが上達しているという状態。そんな今ならいけるかも……ということで、今回はちょっとハードめなドライバーを試打することにしました。それが「バルド パフォーマンス458×アーチ WD-01カスタム」です。
このドライバーのコンセプトは“潜在能力を引き出してくれるクラブ”です。
ヘッドは、自分の意図したボールを打ちたいアスリート向け。シャフトは気でつかまえに行ったときに左に行ってしまう。叩きに行ったときに球がフケてしまうといったアスリートならではの悩みを解消してくれる性能。つまり、完全にアスリートゴルファー向けのドライバー。
バルド パフォーマンス458×アーチ WD-01カスタムを構えてみた
私はアスリート感ゼロのオジサンゴルファー。クラブが勝手にボールを上げてくれたり、つかまえてくれるようなお助け系ドライバーが好みです。しかし、若いころは「もっと上達したい!」という思いから、打ちこなせもしないアスリート向けクラブで必死に球を打ち続けた時期もありました。その頃の気持ちをもう一度……! というわけで100球打ってみることにしたのです。
打ったのはヘッドのロフト10.5度、フレックスはアーチ独自の基準で「25」というもの。これは振動数250cpmといったように、クラブとして組み上がったときの振動数の目安となる数字を表します。25はアーチのなかではもっとも振動数の数値が少ないシャフト。長さは45.5インチ、バランスはD1です。
このクラブ、まず見た目が非常にいいです。ヘッドはマットブラック。シャフトもマットブラック。グリップまで真っ黒のオールブラック仕様です。いかにも硬派な“男の道具”という感じがします。バルドのヘッド、サイズは460ccですが締まったいい顔しています。
バルド パフォーマンス458×アーチ WD-01カスタムを打ってみた
打ってみると、たしかに左へのミスが出ません。なのですが、右へのミスもありません。“つかまらない”という感覚はなく、むしろつかまりは適度。少し右目に出たボールがキレイにセンター付近に戻ってくるような、ドロー弾道が気持ちよく打てます。
私の普段の弾道は低打ち出し・高スピンの悲しみのフケ球なのですが、このクラブだとスピン量が非常に少なく出ます。球の高さは普段通りから少し高いくらいなのですが、とにかく“強い球”が出ます。
そして特筆すべきは打感です。バシッ! と締まった音で、いかにも上級者っぽい打感と打音がします。なんていうか、上手くなった気にさせてくれるクラブです。
そして、曲がらない分だけどんどん振っていくことができます。この日の収録はうかつにもかかってしまった風邪が治り切ってすぐのタイミング。体調的には病み上がりで万全ではありませんでしたが、ものすごく弾性感のあるシャフトの気持ちよさもあいまって、最後のほうは思い切り振ることができ、飛距離はトラックマン計測で254ヤード! と、思いがけない好結果を出すことができました。
ミスをミスでなくしてくれる、スライスをドローに変えてくれる、というクラブではないと思うので、ガチの初心者の方にはオススメしませんが、ある程度ゴルフをやってきてゴリゴリのプロモデルとやさしすぎるクラブの間で迷子になっている私のような40代ゴルファーにはかなりピッタリくる。トラックマン試打もいいですが、これはコースで打ちたいクラブだなあ。