ドラコンプロが監修し、ドラコン競技で「三冠」を達成したすごいドライバーがあるらしい。アマチュアには関係ないかと思いきや、これがフツーのアマチュアにもバッチリ合うのだとか。早速監修者の山崎泰宏プロを訪ね、ついでにレッスンもしてもらったら、秒速で7ヤード飛距離が伸びてしまった!?
山崎泰宏プロが開発にガッツリ関与ジェイビーム「JライデンYS-01」
山崎泰宏ドラコンプロは日本ドラコンシニアチャンピオン7回のバリバリのシニアドラコン選手であり、自らを「スウィングオタクでギアオタク」と称する通りのスウィングやギアへの造詣の深さから、有名ツアープロのスウィング面をサポートする理論派でもあるというスゴイ人。
そんな山崎プロが監修したクラブがあると聞き、ゴルフダイジェストの通販サイト「ゴルフポケット」でも取り上げるべく私・ゴルフポケットの商品開発担当Oは東京・竹の塚のクラフトクラブメーカー・ジェイビーム社へと向かった。結果的に私は山崎プロにレッスンしてもらうことになり、わずか10分足らずで10ヤードの飛距離アップに成功してしまうという超常体験をすることになるのだが、まずは順番にレポートしていこう。
さて、山崎プロとの待ち合わせの場所は山崎プロが契約するカスタムクラブメーカー・ジェイビーム(JBEAM)の本社。そこには打席スペースがあり、そこで定期的にレッスンも行っているのだそうだ。
まずは山崎プロに監修したドライバー「Jライデン YS-01」はどのようなドライバーなのか、聞いてみると、驚くべき事実を教えてくれた。なんと“ドラコン三冠”ドライバーだというのだ。
「このドライバーは、2022年のドラコンの日本大会で日本チャンピオン、女性の日本チャンピオン、そしてシニアの日本チャンピオンの3人が使って、カテゴリー別の“三冠”を達成しているドライバー。ちなみにシニアの日本チャンプは僕です(笑)」(山崎プロ)
す、すごい。すごいのだが、ドラコンプロが使うドライバーといえばロフトは5度、長さは48インチ近く、硬さはトリプルエックス……みたいなイメージがある。ヘッドスピードが50m/sを楽々超える筋骨隆々のドラコン選手ならいざしらず、40代半ばの平均的中年男性には使いこなせないのではないだろうかという疑問も湧く。最近ちょっと腰が痛いし。だが、山崎プロいわくそもそも私の認識が古いようだ。
「ドラコンの世界でも、最近のトレンドはやさしいドライバー。ドラコンは『飛べばいい』と思われがちですが、実際は正確性も求められます。イメージ的には350ヤード先のグリーンにワンオンさせるような精度も求められるんです。Jライデン YS-01は『飛んで、やさしい』性能がウリですが、だからこそドラコン選手も使えるし、アマチュアさんにも安心して使ってもらえるんです」(山崎プロ)
世界のトッププロたちは曲がらないヘッドを武器に、鍛え上げた肉体と技術で300ヤード先のフェアウェイに正確にボールを運んでいるが、それはドラコンの世界にも通じるものがあるようなのだ。
「350ヤード先の40ヤードの幅の中に落とし、その幅の中で止めなければドラコンでは記録が残りません。ストローク競技では同じフェアウェイで1ヤード余計に飛んでも影響はほとんどありませんが、ドラコンではその1ヤードで勝者と敗者が分かれてしまう。だからこそ、飛ばしとやさしさ、その両方が絶対にゆずれない要素なんです」(山崎プロ)
うーん、深い。そのために最適な重心を設計し、シャフトも巻き方からこだわり、手がけるドライバーは発売前にR&A適合の認定を受けて試合で使用し、納得がいったものだけを発売するというこだわりよう。
ジェイビーム「Jライデン YS-01」を打ってみた
こうなると使ってみたくなるのが人情だ。というわけで私もジェイビームのJライデンYS-01の10.5度ロフトに、同社のサムライレッドマックスシャフトの50SRが差さったドライバーを試打してみることにした。
「まずはじっくり打って、納得のいく飛距離が出せたら言ってください。その上で、その数値を超えるようにレッスンしていきますから」と山崎プロ。なんでも、「99.8%の人がレッスン後、飛距離アップしている」とのこと。実に1000人中998人だ。残りの二人に入らないことを願いつつ、まずはバシバシと10球ほどを打っていく。
室内でのトラックマン試打だが、なるほど曲がりが少なく、初めて手に取ったとは思えないほどよく飛んでくれる。トラックマンの試打ではだいたい220〜230ヤードが明らかなミスショットを除いた私のアベレージだが、バシバシ打つうちにヘッドスピード43.2m/s、238ヤードという飛距離が出た。自己ベストとはいわないが、コースで出たら今日イチ候補みたいな打球だ。
驚かされたのは山崎プロの私のスウィングに対するコメントだ。「ずいぶんスライスで苦労されたようですね。体が突っ込むクセがあるから、それを防ぐために右足の上で回転するスウィングになっています」とのことなのだがこれはまさに私のゴルフ人生20年のスウィング変遷そのものだ。スライスが嫌でカラダを止めて手を返していたら今度はチーピンに悩まされているのが私の現在地点だ。悲しい。
「今日は、たったひとつのドリルをやってもらいます。それでヘッドスピードも上がりますし、飛距離もすぐに伸びます。」と山崎プロ。
振ってないのに飛距離が一瞬で7ヤードアップ! 山崎プロの魔法のドリル
「ドライバーを短く持ったら、グリップエンドとおへそが連動するようにクラブを揺らしてみてください。クラブをタオルだと思って、柔らか〜く動かしてみてください。ヘッドを動かさず、おへそとグリップエンドから動き出すようなイメージを持つといいでしょう」(山崎プロ)
飛ばしのための“たったひとつのドリル”どれだけすごいドリルかと思いきや、なんとクラブを“揺らす”だけ! これが本当に飛ばしにつながるのだろうかと半信半疑で(山崎プロすみません……)やってみたところ、やってみるとこれが面白い。小さな動きなのにクラブが“走る”感覚が得られるのだ。
「それは、普段ヘッドを手で動かしてしまっているからです。そうすると、自分の腕力でしかスピードを出せない。体が動いた結果ヘッドが動く状態にすれば、ヘッドが大きく動き、自分ではなくヘッドが仕事をしてくれることで、大きく飛ばせるんです」(山崎プロ)
うーん、なるほど。体の小さな動きでヘッドを大きく動かす。その感覚を身につけるためのドリルだったのだ。しかしこの動きにはもうひとつ懸念がある、このドリルの延長線上で振ると、切り返し以降はカラダを左に回し続けるので、スライスしそうな気がするのだ。
「切り返しからカラダを一気に左に回すと、振り遅れるんじゃないか、スライスするんじゃないかと感じると思います。でも、ノーコックの動きでクラブを上げればフェースは開きません。振り遅れをこわがらず、おへそから動くような感覚でやわらかく振ってみてください」(山崎プロ)
山崎プロに導かれてドリルを繰り返し、徐々にスウィングを大きくしていき、実際にボールを打っていく。そして少しずつ少しずつカラダを回すスピードを上げていくと……なんとヘッドスピードは45m/s、飛距離は245ヤードを達成してしまった!
プロにレッスンしてもらったんだからそれくらい飛距離アップするのって普通じゃね? と思うかもしれない。たしかにそうだ。しかし、こればっかりはぜひ映像をご覧いただきたいのだが、私はまったく「振ってない」のだ! 本当に左右にクラブを揺らしているだけみたいな感覚。極端にいえば30ヤードのアプローチをサンドウェッジでゆるみなくピシッ! と打つくらいの感覚で自己最高飛距離に近い距離が出てしまっている。これには本当に驚かされた。
体験的にもそうだし、映像で見ても実際に速く動いているようにはまったく見えない。最初に238ヤードを打ったときのスウィングのほうがはるかに「速い」ように見えるのだ。うーん、クラブに仕事をさせるスウィング、おそるべし。
「振ってないのに飛ぶ感覚って、つまり『手を振ってない』ってことなんですよ。その代わりに、カラダのパワーをしっかり使えている。歩くときって手が先に出て足が動くわけじゃない。足の動きにつられて手が振られるわけですよね。そのように、体を動かす順番がしっかりできてくると、軽く振ってる感覚なのに飛ぶようになるんですよ」(山崎プロ)
ジェイビーム「Jライデン YS-01」は飛ばしの救世主になる!?
山崎プロのレッスンもすごいが、この日初めて手にとっていきなりこれだけの飛距離を叩き出すJライデンYS-01の飛距離性能もすごいし、めちゃくちゃクセなく動いてくれるサムライレッドマックスシャフトもいい。
“ドラコン三冠”のドライバーは、ヘッドスピード40m/sちょっとの40代男性にもバッチリ合うことがわかった。飛距離に頭打ち感を覚えているゴルファーのみなさん、コイツは救世主になるかもしれませんよ!