大阪発のカスタムクラブ。ローズゴルフクラブの「MOE86 300」はなんとヘッド体積300cc!令和の今、なんであえての「チビヘッド」なのか⁉︎ ゴルフダイジェストの通販サイト「ゴルフポケット」で異例のヒットを記録した異色ドライバーの“正体”に迫った。
「大きい=飛ぶ」とは限らない
ドライバーのヘッド体積は460ccが当たり前の時代になって、もうずいぶん時間が経つ。そんな時代にあって、ローズゴルフクラブの「MOE86 300」は、なんとヘッド体積300ccの“最新ドライバー”だ。
実に最新フルサイズドライバーの2/3弱の大きさ。長さは44インチと短く、ロフトは13度と大きい。さらにヘッドをどれだけ重く感じるかの目安となるバランスは「B9」と非常に軽い。何もかも常識外のドライバーとなっているのだ。
このドライバーを設計したのはクラブ設計家の山代谷哲男氏。山代谷氏はなぜ300ccを出したのだろうか?
「単純に460ccのドライバーを振りにくいと感じるからです。ある時期からドライバーは460が当たり前になり、すごく振りにくいクラブになってしまいました。具体的には慣性モーメントが大きすぎることで振り遅れやすくなっているんです。そこで、重心や慣性モーメントの値を最適にし、アマチュアでもドローが打てる300ccドライバーを設計したんです」
たしかに大きすぎるヘッドだとボールがつかまらない、というゴルファーの声は聞かれるし、「ロフトやシャフトを選べるように、ヘッド体積も選べるべき」という山代谷氏の言葉は言われると納得がいく。
とはいえ、実際どんな球が出るのだろうか? ドライバーのヘッドスピード42m/sのゴルフダイジェストの商品企画担当・Oが試打してみた結果「球の散らなさ」に驚いた。
「大型ヘッドと比較した場合、一発の飛距離では5〜10ヤード弱の違いがありましたが、球の散らなさはMOE86 300が上で、“狐につままれたような”気分。ヘッド体積300ccがこんなに曲がらないとは……。ティアップを低めで低い球、高めで高い球が打ち分けられもします。正直すごくやさしい、実戦向きなクラブと感じました」(O)
自分の打ちやすいドライバーのヘッドサイズを選ぶ時代はもしかしたら、もう始まっているのかもしれない。