JP GOLFとは？ アメリカ発のプレミアムウェッジを徹底調査

JP GOLFとは？

JP GOLFというブランドをご存知だろうか。アメリカ発のウェッジメーカーで、JPという名称はデザイナーのジェイムス・パトリックのイニシャルに由来する。

JPゴルフとは？

JP GOLFの特徴はプレミアム・ウェッジとでも呼ぶべき高精度のモノ造りにあり、その中心にいるのがジェイムス・パトリックだ。

JP GOLFとデザイナー、ジェイムス・パトリックのあゆみ

ジェイムス・パトリックはもともとジュニアゴルファーとして活躍。アリゾナ州立大学卒業後はゴルフクラブ業界に身を投じるとウェッジのカスタムの専門家として頭角を表す。

2009年に自宅ガレージに工房をオープン。カスタムウェッジの注文を受けながら将来のクラブメーカーとしての独立を目指し始める。

2011年「JP by Edel」ウェッジのデザインを発表。2013年にタイトリストに入社し、そこで「スーパープレミアムマルチマテリアル構造」のウェッジを生み出すと、2018年に退社。

現在はサンディエゴを本拠地に、革新的ウェッジを世に送り続けている、というのが彼のヒストリーだ。

手の感覚だけで2つのウェッジをまったく同じ重量に削り出したというエピソードが残るほど繊細な感覚と、他にはない高いデザイン性は、一瞬でJPのウェッジと見分けがつくような、唯一無二の個性を放っている。

JPゴルフの「4つのテクノロジー」

抜けを良くする「JPキャンバー」

そのテクノロジーには4つの特徴がある。そのひとつめが、JPキャンバーと呼ばれる湾曲したソール面。見ればわかるが、JPゴルフのウェッジは、ソール面のトウ側、ヒール側が極端に切り落とされている。

JPプレミアムウェッジは、ソールのトウ側とヒール側が大きく落とされている

これが最適なバウンス角を生み出し、同時にコントロールショットや芝の薄いライなどでは余計なバウンスを感じさせないという絶妙な性能となっている。結果、リーディングエッジが引っかかるザックリのミスが起きにくい。

複合素材が実現する「スーパーチューンドCG」

続いての特徴が、複合素材による「スーパーチューンドCG」。JPゴルフのウェッジは、バックフェース部に軽量のチタン製バックプレートとタングステンウェートが複合されている。

JPプレミアムウェッジ。タングステンやチタン製バックプレートが複合されている。

ウェッジながら、まるで最先端の中空アイアンを思わせるような複雑な構造になっており、それが重心位置を最適化。さらに慣性モーメントを最大限に引き出し、フェース面の安定にもつながっている。

ヘッド重量を揃えるインジェクションウェート

また、インジェクションウェートという手法により、重心位置を変えることなくヘッド重量を揃えられるのも特徴のひとつ。

高精度を誇るフォージドミルド

そしてヘッドの製法は鍛造。

「不純物が混入しないシンプルな鍛造は鋳造よりも優れています。廉価で簡素な鋳造は、金属内に多孔と呼ばれる気泡が生じることがあり、感触、距離のコントロールに欠け、性能が劣ります」（ジェイムス・パトリック、公式HPより）

バックフェースの印象とは裏腹に、アドレスルックは端正でオーソドックス

鍛造されたヘッドを精密CNNフライス盤加工することで、ソール形状はつねに一定に揃えられている。

ソールがつねに一定であること、インジェクションウェートで重心位置を変えずに重量を揃えられることは、商品の誤差の少なさを強く予感させる。

JPプレミアムウェッジのすごい性能

実際にJPプレミアムウェッジを使ってみると、まず印象的なのは“扱いやすさ”。フェースをスクェアに構えたときの構えやすさは言うに及ばず、開いても逆にカブせてみても見え方の印象が大きく変わらず、ターゲットに対して非常に構えやすい。

大きな曲線を描くようなソール形状は抜けの良さが抜群で、悪いライからもしっかりとボールを拾ってくれる。一方で、必要最低限のバウンスはしっかりと確保されているため、花道からのアプローチでほんの少し手前に入ってしまったといったケースでも、ダフりを最小限にとどめてボールを前に運んでくれる。

さらに驚くべきはそのスピン性能で、ドライバーのヘッドスピードが42m/s程度、平均スコア90代のゴルファーが打って、なんと1万回転を超えるスピン量を計測。普段は7000〜8000回転程度だというから、驚くべきスピンポテンシャルを秘めていることがわかる。

洗練されたデザインと、ウェッジの可能性を切り開くような卓越した性能。その存在感は、まさにウェッジ界の“黒船”という印象だ。

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