トップアマも使う飛び系アイアンの実力は!? ルーツ「ラプターアイアン」をプロが試打【動画あり】

話題のカスタムクラブをレッスンプロ・森山錬がチェック。今回はは京都の老舗カスタムクラブメーカー・ルーツゴルフの「ルーツラプターアイアン」を試打。

玄人好みの打感……だけど飛び系。

“2番手上の飛び”というのが当たり前になってきた飛び系アイアンの世界だが「グリーン上で止まらない」とか「操作性が悪い」といった難点も挙げられたりもする。そんな中、ルーツゴルフの「ルーツラプターアイアン」は、「飛んで、止まる」飛び系アイアンとして評判らしい。

7番のロフトが26度の“超飛び系”であるラプターアイアン。操作性はあるのか?

その最大の理由は、フェースに使われている素材「超合金アーメット」にあるようだ。鉄にコバルト15パーセント、ニッケル11パーセント、クロム2パーセント、モリブデン1パーセントを配合した超高強度合金で、壊れにくく、さらに粘り強いのが特徴。この超合金アーメットフェースに軟鉄ボディならではの打感の柔らかさが加わり、「飛ばし」と「止まる」を同時に実現できた、というわけだ。

スーパーアーメット合金を採用したフェース面は飛距離性能のみならず打感も良い

ところで冒頭に言ったように、飛び系アイアンは「飛ぶ」けれど「止まらない」印象があり、そこが中・上級者に支持を得られないという一面がある。それを「このラプターアイアンは違う」と自らが証明したのが、同社の営業マンの大同一輝さんだった。彼は2022年の社会人選手権でラプターアイアンを使って2位に入賞。アマチュアのトップが集うこの大会で好結果を出したことで、飛んでしっかり止まるということを証明というのだから、営業マンの誉である。

では、プロが打ったらどう感じるのだろうか。森山錬プロに試打評価をお願いした。

まずは構えた時の第一印象から。

「飛び系のアイアンはフェースが長くて、ロフトが立っていて、グースが強くて、つかまりやすいという印象があるんですけど、このアイアンはその『いかにもつかまる』という感じがないですね。マッスルバックアイアンを構えているようで、フェースもストレートフェースなのかなと一瞬思ったんですけど、でもよく見るとちょっとグースになっていて、そこは飛び系の要素が入っています。ただ、グース特有の捻じれのようなものは感じないので、すごい構えやすいです」

マッスルバックアイアンのようなシャープな見た目。

打つのは7番アイアン。森山プロの7番アイアンの通常の飛距離は175~180ヤード。森山プロには弾道を打ち分けてもらい、「飛んで、止まる」は本当かを検証する。

まず最初は、本当に「飛ぶ」のかを検証する。

■1球目
キャリー:187ヤード、トータル:204ヤード、打ち出し角:13.3度、スピン量:3957rpm 球筋:ストレート

1球目で、いきなり204ヤードが出て「飛び」を実証。これには森山プロも驚いた。

「え、これ7番アイアンですよね。スゴ! しかも飛び系は、球をつかまえて飛ばすみたいなのがあるんですけど、このアイアンに関してはつかまり過ぎないです。マッスルバックとかセミキャビティアイアンを打っているようなフィーリングで飛ぶ。それが凄く良いですね」

さらにもう1球。

■2球目
キャリー:191ヤード、トータル:207ヤード、打ち出し角:14.7度、スピン量:3909rpm 球筋:ストレート

2球目は1球目よりも打ち出し角が1.4度高くなり、飛距離が3ヤード伸びた。

「球が高いしストレートですよね。200ヤードは普段は5番アイアンでヒィヒィ言って打っていますけど、それを7番で打てるのはすごい。(ソールの)『7』という数字の見るだけで安心するというか、力が入らず、簡単に打てる気がします」

ルーツラプターアイアンを打つ森山。7番で余裕の200Y越え。

では次に、ラプターアイアンは曲げられるのかについて検証してみよう。ドローとフェードを打ち分けてみる。

■3球目
キャリー:186ヤード、トータル:206ヤード、打ち出し角:12.9度、スピン量:2660rpm 球筋:ドロー

「しっかりドローも入りましたし、抜けの良さを感じました。ソールをよく見ると真ん中に山みたいなのがあるように削られていて、これが抜けの良さの秘密なのかなと思うんですけど。ソールが引っかかるとカブってロフトが立って、飛び過ぎや引っかけが出やすくなる、それが飛び系アイアンではデメリットに働きやすいじゃないですか。でもこのアイアンの場合はソールが抜けやすいのでそこの心配が要らない感じがします」

ソールが真ん中に山があるように削られた、ダブルバンスソール形状。

■4球目
キャリー:189ヤード、トータル:201ヤード、打ち出し角:15.8度、スピン量:4904rpm 球筋:フェード

「思った通りにフェードが打てました。こういうのが飛び系だと打てないんですよ。スライス回転をかけたと思ってもつかまってしまうので、これは飛び系アイアンだけど操作性もイイですね。あと打感が良いです。キャビティの飛び系アイアンはピシャっという弾くような音がするかなと思うんですけど、そういうのを感じない。格好いいセミキャビティのような柔らかい打感です」

では最後に、「止まる」を検証する。高低を打ち分けた球を打ってみる。

■5球目(低く抑えた球)
キャリー187ヤード、トータル213ヤード、打ち出し角13.5度、スピン量3986rpm、落下角度41.1度

飛距離は今日イチの213ヤード。しかもスピン量が3986rpmと多めなのでこれは「飛んで」「止まる」球と言えそうだ。

「今ちょっと低い球を打ったんですけど、まずめちゃくちゃ飛ぶ。注目は落下角度ですけど、低めに打ったんですけど、41度も出ました。40度あればグリーン上で止まりやすい球になりますから、これは止まりますね」。

■6球目(通常の高さの球)
キャリー194ヤード、トータル211ヤード、打ち出し角15.7ヤード、スピン量3585rpm、落下角度42.0度

落下角度は「42度」とこちらも十分。

「素材の関係でしょうけど、インパクトでフェースに乗って、それから離れていく感じがあります。いわゆる弾く飛び系と違って玄人好みの打感なので、(結果を見て)『実は飛び系なんだ』、という感じですね」。

最後に、森山プロに試打後の感想を聞いた。

「『飛び系』だけどつかまり過ぎないのが大きな特徴だと思います。通常は5番アイアンで打つ200ヤードの距離を7番アイアンで打てるので、ショットは格段に安定しますよね。2打目を短い番手で打てる分、ティショットの精神的な負担が減るので、結果的にティショットも安定するという効果もあり、スコアアップにつながるのではないでしょうか」。

京都のメーカー・ルーツが作った「ラプターアイアン」。森山プロが言うように、いわゆる飛び系アイアンとは一味違ったフォルムもカッコイイので、上級者も含めて使えそうなクラブではないだろうか。

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