7番アイアンが「175ヤード」飛んじゃった!? ツアープロがつくった練習器具を試してみたらすごかった

ツアープロが自分のために作った練習器具「ショットメイク」。プロがプロのために作った器具はアマチュアにも効くのか!? ゴルフダイジェスト社の中年男性ゴルファーが、開発者である諸藤将次プロに突撃取材!

諸藤将次プロが自分のために作った「ショットメイク」

諸藤将次プロが自分自身のために作った「ショットメイク」という練習器具がある。そのショットメイクを紹介する動画を撮影するというので、その撮影現場にお邪魔して、ちゃっかりレッスンを受けてきた。

諸藤プロといえば日大を経てプロ入りし、2011年にはツアー初優勝。そのモデルのようなルックスの良さと、細身の体には似つかわしくない圧倒的飛距離でスター性にあふれた選手。しかし、この10年間は正直その名前をあまり目にしていなかった。聞けば「ツアー優勝のあと怪我をしてしまい、その後ドライバーのイップスになっちゃったんです」(諸藤プロ)とのこと。

諸藤将次プロ。自ら開発した練習器具「ショットメイク」で復活気配だ

イップスというと、固まって動けなくなっちゃうイメージがあるが、諸藤プロの場合は「打ち急いで右に左にもミスが出る」タイプだったよう。その打ち急ぎを直すために自分で考案し、開発し、販売している練習器具。それがショットメイクなのだ。

よくある「プロゴルファー監修」とはちょっと関わりの深さのレベルが違う、プロのプロによるプロのための練習器具。これを使うことで悩みの種だったイップスも解消。今季はレギュラーツアー2戦に出場しともに予選通過を果たしている。諸藤プロ、37歳にして復活の気配がバチバチしているのだ。

ショットメイクは腕とクラブの同調を身につける練習器具

「ショットメイク」は体に巻いて固定するためのバンドと、クラブとバンドをつなぐゴムチューブのふたつのパーツで構成されたシンプルな練習器具。ゴムにはふたつの長さがあり、ひとつは通常のクラブにつける用。もうひとつは短い練習用クラブにつける用だ。

体とクラブを結ぶゴムがピンと張った状態を維持し、左右の腕にゴムが当たらないようにスウィングすることで、腕とクラブの「同調」を身につけるというのがメインの使い方。「長いほうは朝の練習場で。短いほうは夜の宿舎で寝る前に。毎日欠かさず使っています」と諸藤プロがいうこの練習器具を、さっそく筆者(44歳・平均スコア90台)も着用してみることにした。

黄色がゴム部分。これをピンと張らせるだけでひと苦労!

「フルショットは必要ありません。ショットメイクを装着した状態で、ハーフスウィングの素振りを繰り返す。それにより、正しいスウィングが身につくんです」と諸藤プロ。普段から体とクラブの同調は意識しているポイントだし、ハーフスウィングだし余裕でしょ、と思ったがとんでもなかった。まず、アドレスの時点でキツい。

「ゴムがピンと張った状態をキープしたままアドレスしてください。アマチュアの方の場合、この状態をキープするだけでもいいトレーニングになると思います」(諸藤プロ)

本当にその通りで、普段自分がいかにアドレスでラクをしているかがよくわかる。これがプロのアドレスの感覚か……!

ショットメイクはバックスウィングの動きだけでも効果あり!?

さらに、そこからの始動でまた驚かされる。始動してわずか10センチの段階でゴムが右手に当たってしまうのだ。

「この時点で、もう“当たらない”ことが確定してしまっています。正しい上げる方向は“こっち”なんです」と諸藤プロに導かれるままに上げた方向は……えっ、ここ!? 自分の感覚的には、めっちゃくちゃアウトサイドに上がっている印象だ。そしてキツい! 「もっと腕を伸ばしてください」「前傾角度キープです!」と諸藤プロからアドバイスをいただくのだが……バックスウィングって、こんなにキツかったっけ?

バックスウィング。いつもよりはるかにアウトに上がってる感覚

でも、たしかにゴムは右手にも左手にも当たっていない。必死の形相で両腕を伸ばしてゴムを張り、かつ前傾角度もキープしていると「うん、いいところに上がっていますね」と諸藤プロも笑顔だ。えっ、ここが正しい“上げる位置”なの? じゃあ20年間自分が行っていたバックスウィングは、一体なんだったんだ!?

イメージ的には自分が時計の文字盤になったような印象だ。よくハーフスウィングは「9時-3時」にたとえられる。しかし、実際は両腕でクラブを持っているわけだから、「8時45分-3時15分」がたとえとしてはより正確なはず。自分の両腕を時計の文字盤の長針と短針と同じようにピンと伸ばしたままクラブを上げるのは、想像よりもはるかにキツい。バックスウィングがこんなに大変な作業だったとは、本当に、心の底から驚きだ。

「ショットメイクを付けた状態でバックスウィングをとるだけでもすごくいい練習になります。アマチュアの方の場合、正しいところにクラブが上がっていないケースが多いですから」と諸藤プロ。逆に、いいところにクラブが上がれば、ナイスショットの確率は大きく増えるのだ。

ショットメイクを外したら……とんでもない球が出た!

さらにレッスンは続き、今度はフォローサイド。これも驚くべきことに、インパクトの10センチ後で、早くもゴムが左手に当たってしまう。「これは手でフェースを返そうとしているから。手を返そうとせず、そのまま体を回してください」(諸藤プロ)というアドバイスに従って、ふたたび時計になったつもりで体を回していくと……き、キツい(本日2度目)! 「頭残してくださいね!」「もっと腕を伸ばして!」と諸藤プロはさわやかな笑顔でアドバイスをくれるのだが、そのアドバイスに従えば従うほどキツい!

はあはあ言いながら素振りすることわずか5回にして「これは明日筋肉痛になるな」という実感が早くもある。プロのスウィングってこんな感覚なのか! ただ、本当の驚きはこのあとにあった。「じゃあ、ショットメイクを外して、実際にボールを打ってみてください」という諸藤プロの言葉にうながされて7番アイアンで打ってみると……なんと飛距離は175ヤード。普段は7番だと145ヤードくらい。自分のクラブより重たくて、自分のクラブよりロフトが寝ているであろうプロ仕様のクラブをお借りして、なんと30ヤードも飛んでしまった。

フォローまで振り切ると5回で息が上がるほど疲れる

まるでバックスウィングで伸ばされたゴムが一気に戻されるような、フィニッシュまで一瞬で到達してしまうような感覚。諸藤プロがこの練習器具を作った目的のひとつは「なるべくスウィング中に余計なことを考えたくないから」だったそうだが、私の印象としては「余計なことを考えるヒマがない」という感じ。こんな感覚でスウィングしたのは初めてだ。

「ショットメイクを外しても、その感覚が残っているんです。ただ、その感覚は長くは続きません。なので、1日素振り10回でもいいのでショットメイクをつける習慣をつけてもらいたいんです。そうすれば、徐々にショットメイクを外しても、つけているときの感覚でスウィングできるようになりますから」(諸藤プロ)

体験した身としては、そのプロの言葉に偽りがないことがよくわかる。というわけで、1カ月間この練習器具を使い続けてみて、スウィングにどんな変化があるか試してみることにした。答えが出るのは1か月後。乞うご期待である。

画像: 7番アイアンが「175ヤード」飛んじゃった!? ツアープロがつくった練習器具を試してみたらすごかった 【ショットメイク】の詳細は、以下のゴルフポケット各店をチェック!
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