デザインチューニングが“飛ぶ”シャフトを出した
40グラム台のシャフトは40代のオヤジたちの飛距離を変えるか?
まず打ったのは、平均スコア80台半ばと三人のなかでもっとも上手ながらたまに出るチーピンが泣きどころのオヤジゴルファー2号ことK。
「まず持った印象としては軽く感じます。マン振りではなく、ちょっと軽めに振ってますね」(K)
普段のヘッドスピードは45m/s前後といったところだが、43m/sくらいでテストしたところ、驚きの平均252.7ヤードという結果に。球筋は軽いフェードで、チーピンも出ていない。そしてヘッドスピードに対して飛距離が出ている。
これに気を良くしたK、今度は「ちょっと振っちゃおうかな……!」と言ってマン振りを開始。ヘッドスピードを45m/s超に上げて振ったところ、飛距離は平均269.3ヤードまでアップ。「残念だな〜、惜しくも270ヤードに届かずでした(笑)」と満面の笑みを浮かべていた。うらやましい(本音)。
「普段は50グラム台のXシャフトを使っていますが、この40グラム台のSシャフトに頼りなさは感じませんでした。一発の飛びというよりも、平均飛距離を押し上げてくれるという感覚で、安定感が高かったです。これは悪くないですね、むしろいい……!」(K)
データを分析すると、軽く振った場合のスピン量の平均が2882rpm、しっかり振っても2786rpmと、いわゆる“フケない”球が出ている。打ち出し角は12度前後で安定していることから、コースで打ったら野球でいうところのフェンス直撃のライナーのような弾道になっているはず。ヘッドとシャフトの相性とスウィングが噛み合い、見事な結果となった。
Kの好結果を受けて、2番手で登場したのは「平均飛距離220ヤード」と自己申告しておきながら、この企画で250ヤードを超える飛距離を連発、“飛距離モンスター”の称号を得たオヤジゴルファー3号ことM。
ここまでシャフトやヘッドのスペックがハードならハードなほど結果を残してきただけに、「ちょっと軽いかな……」「もう少しハードなほうが……」等々ブツブツつぶやき「私には少しシャフトが軽く感じられてしまい、そのせいかちょっとヘッドが戻ってこない感じで、ボールがつかまり切りませんでしたね」と語った。とはいえ平均240.5ヤードと、数字だけ見ればまずまずだ。
Kは非常にコンパクトなトップから反動を使って打つタイプだけにシャフトのしなりは必須。それに対してMはオーバースウィングなトップから腕っ節の強さも活かして飛ばすタイプで、シャフトがハードなほどポテンシャルを解放できるタイプ。両者のスウィングタイプの違いが、結果にあらわれたカタチだ。
「平均251ヤード」の衝撃
最後は筆者ことオヤジゴルファー1号の出番だ。身長173センチ、ヘッドスピード42m/sくらいのスライサー、自慢じゃないがゴルフ場で石を投げれば当たりそうな平均的なプロフィールの持ち主だ。もう少し飛ばし屋に生まれたかったです。
それはさておきクラブをワッグルしてみると、なるほど軽く感じる。シャフトが40グラム台ということもあると思うが、しっかりハリのあるシャフトなのも影響していると思う。40グラム台=ぐにゃぐにゃで頼りないというのは過去の常識で、最近のシャフトは軽量でもしなやかでハリのあるケースが多くある。
このシャフトの場合、素振りした印象だと切り返しでのしなりはしっかりと感じられるのが好印象。こういうときっていい結果が出るんだよなあ、と期待して5球打ってみた。すると結果はなんと……平均251ヤード! 「最長251ヤード」じゃなくて! というわけで実際によく飛んだ。
いいなと思ったのが5球打った球の“分布”だ。もっとも飛んだ一打は258ヤード。それに対して「もっとも飛ばなかった一打」も247ヤードと十分に距離を稼いでくれており、大体5球すべてが250ヤード前後でまとまった。同じ平均250ヤードでも、300ヤードと200ヤードが交互に出るのでは(うれしいけど)スコアはまとまらない。オヤジゴルファー2号・Kも言っていたが、飛んでなおかつ結果が安定するのがこのドライバーの良さだと思った。
弾道の中身を見ると、打ち出し角は平均で9.8度。低めだが、私は打ち出しが極端に低いのでだいたいいつも通り。これでスピンが入り過ぎると飛ばない球になってしまうのだが、平均2450回転とほどよく入ってくれたことで飛距離を稼げているようだ。全員の結果が低スピン傾向だったので、これはカムイXP-03のヘッド特性だと思う。
つかまり性能でいえばスライスをドローに変える系のつかまりではなく、むしろ左に来ないので安心して叩いていける系の性能の印象だ。「40グラムなのにこれだけ思い切り叩けるのはすごいですね」とはKの弁だ。
調整機能でさらに弾道をチューニング
そして、もうひとついいのはクラブに「調整機能」がついている点。いまいち球がつかまらず数字が伸びなかったMだったが「1.5度 DRAW」のポジションに変更したところ。250.6ヤードと10ヤード以上平均で飛距離を伸ばしていたことも追記しておきたい。
40グラム台のシャフトというと、一昔前はシニア向けというイメージがあった。しかし、この「ベクター」にはそんな印象はほぼない。実際に総重量は292グラムと、やや軽め、くらいの仕上がり。
体力の衰えの自覚はないけれど、20代のころに比べると飛距離が落ちているのも事実……あと、腹回りがちょっぴりたぷたぷしてきたのもまた事実……といったところの我らオヤジゴルファー軍団にとって、「そろそろ軽量シャフトもアリかな」と思わせてくれる良さが「ベクター」にはあったのだった。そしてカムイのヘッドはやっぱり良い……!
というわけで読者のみなさんのなかにもしまだ40グラム台を試していない方がいたら、一度手にとってみてはいかがだろうか? 新たな発見があるかもしれない!
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